『205X』

作品紹介

2009年、民主党が政権交代を果たした年、中国の覇権的野心の警告のために執筆を開始した作品です。

2010年3月に脱稿し、同年12月の出版に向かっているさなか、尖閣諸島で海上保安庁の巡視艇に中国漁船が衝突する事件が起き、それに合わせて反日運動が勃発しました。その後5年の間に中国の領土的野心はいよいよ露見し、時代は『205X』の世界観に近づいてきたのです。

日本の国のあるべき姿、未来の理想像を真剣に考える時が、ようやくやってきました。

多くの人たちにこの作品を知って頂き、そのきっかけとして頂ければ幸いです。

 

あらすじ

202X年、沖縄の米軍基地反対運動に嫌気がさしたアメリカ合衆国は、沖縄から軍の一切を撤退した。

それを好機と見た沖縄の人々は、中国からの支援を頼みとして一気に「琉球独立」を宣言した。日本政府はその単独行動を差し止めることもできず、右往左往しているうちに左翼系国際世論からの支持を受けて既成事実化してしまった。

ところが翌年、中国からの多大な支援を期待していた沖縄は、「独立防衛」と「治安維持」を名目に上陸してきた人民解放軍によって自立国家としての地位を奪われ、自治区として属領化された。

折り悪しく、203X年とその3年後、首都圏は相次いで巨大震災に見舞われ、一度目はなんとか立ち直りかけたものの、それを上回る東海地方まで及んだ超巨大震災によって、インフラも国民の心も折れてしまった。

他国の弱みに付け込むことが上手な中国は、さっそく支援の手を伸べ、「東京湾内の一部に新首都を建設してあげましょう」と《ご親切》なまでの申し出を日本政府に行った。国民のパニックと政治的無力感に見舞われた日本政府は、愚かにもその申し出を受諾し東京湾アイランドシティ(TOBIC)が起工された。

TOBICの工事も順調に進み、完成が近づいて来た頃。その2~3年前に北朝鮮の奇襲攻撃によって建国された統一朝鮮国から、突如、核ミサイル攻撃の予告がなされた。中国は、直ちにTOBIC防衛の名目で人民解放軍の迎撃ミサイル部隊を日本全国に配備する了承を日本政府から取り付け、同時に統一朝鮮国に対してはミサイル攻撃の中止の圧力を掛けた。結果として統一朝鮮国はミサイル発射を取り下げたが、それによって人民解放軍が武装解除することはなく、日本が実質的に属国化することによって、核ミサイル事件が茶番であったことが明白となった。

204X年、ついにTOBICは完成し、TOBICの開府式典において中国政府は正式に日本の属国化を宣言した。その後日本国民は、日本語の使用を禁じられ、自由主義を唱える『思想犯』は逮捕、留置の上、残忍な拷問を受けて多くのエリート層が死んでいった。

民族的迫害を受けた日本人は、205X年、ついにレジスタンス部隊を結成し中国に対して植民地解放の戦いに挑む。果たして日本は再び主権を取り戻し、独立国としての立場を回復できるのだろうか?